『学生時代に力を入れたことは何ですか』
新卒採用においてこの質問をしない企業はほとんどありません。
一般には「ガクチカ」と呼ばれるこの質問。
一見シンプルなこの問いですが、実際に答えるとなると非常に頭を悩ませます。
上手く文章にできない、読み返してみると分かりづらい そんな経験がある方も多いと思います。
そこで、この記事ではフローに沿って、説得力のあるガクチカが簡単に作成できる方法を紹介します!
それに加え、志望動機や自己PRをはじめ、その他よく聞かれる質問についても解説していきます!
目次
ガクチカとは
冒頭でも述べたように、ガクチカとは「学生時代に力を入れた事」の略称です。
まず、企業が学生にこの質問をする理由は何だと思いますか?
- 立派な実績を持った学生を採用したいから?
- それとも、貴重な経験をした学生が欲しいから?
答えは、そのどちらでもありません。
この質問の本質は、その企業の理念や手法に沿った方向に努力できる人材であるかを確かめる事です。
例えば、就活生Aさんはサークル全体で協力してイベントを成功させた実績がありました。
Aさんが受けたB社は、基本的に個人での仕事が多い実力主義の会社です。
この場合、全体主義のAさんが個人を主体とするB社にはマッチしていないことが分かります。
このように、本当にその企業で努力し活躍できるかを見極めるために、ガクチカを問うのです。
ガクチカはどうして難しいのか?
企業が就活生に頑張ってきたことを質問する理由が分かりましたね。
だからといって、この質問の答え方が難しいことは変わりません。
就活生がガクチカに苦手意識を持つ理由は主に以下の2点です。
①アピールポイントとなるエピソードがないこと。
②伝わりやすい文章にできないこと。
それぞれの理由について、考え方や対処法を紹介していきます。
アピールできるエピソードがない!
”頑張ったこと”について「何を書いてよいか分からない」「そもそも書けるような出来事がない」という方も多いのではないでしょうか?
たしかに周りを見渡せば全国大会、長期インターン、留学などなどインパクトの強い経験をした学生が目に留まりますよね。
ですが、採用時に着目されるのは経験そのものではなく、
それをどのように頑張ったか、何を得ることができたか
という部分です。
したがって、アルバイトやサークル・部活動、学業など何でもかまいません。
それが今の自分にどのような影響を与え、今後どのように活かしていきたいかを示すことが重要なのです!
伝わりやすい文章にならない!
ガクチカに採用するエピソードは、大それた経験でなくても大丈夫です。
この節では、分かりやすく、説得力を持たせて伝える方法を紹介します。
ガクチカを考える際に意識しておきたいポイントはいくつかありますが、最も重要視してほしいのが
数値を用いて具体性を出すこと
です。
例えば、「毎日かかさず勉強して簿記1級を取得しました」
という文章よりも
「大学2年生の5月か11月にかけて、毎日3時間以上、参考書を3周するほど勉強したおかげで簿記1級を取得しました」
という文章の方が努力の過程を想像しやすいですよね。
取り組む前後での差や頑張った事柄を数値で表現することによって、イメージしやすい文章になります。
エピソード別、説得力UPポイント!
ここからは代表的なエピソードごとに、定量性を持たせられるポイントを紹介していきます!
あくまで一例ですが、ここで紹介した数値を盛り込むだけで、格段に伝わりやすさが増すことでしょう!
ガクチカの作成フロー
この章では、ガクチカの全体構成を紹介します。
フローに沿って考えればよいので、1つ1つ順を追って確認していきましょう!
1.全体の要点(結論)
何を頑張り、何を成し遂げたのかを最初に示します。2.現状と課題
その物事に力を入れる必要があった、客観的事実を示します。
数値を入れることが望ましいです。3.理由(動機)
なぜ、あなたがそれを頑張ろうと思ったのか主観的理由を示します。4.施策
課題に対して、どのように取り組んだのかを具体的に示します。
ここにも数値を用いることができると良いでしょう。5.結果
施策の結果、課題がどのように改善されたのかを示します。
できるだけ数値を用いるように心がけましょう。6.学び
出来事を通して、何を得ることができたのか。
それを今後どのような形で活かしていきたいかを示します。
フローに従ってガクチカを書いてみた
1.全体の要点(結論)
私はレストランでのアルバイトに力を入れ、売り上げを前年比3%アップさせ従業員数を2倍に増やしました。
2.現状と課題
私が働いている店は従業員不足により営業時間を短縮し価格を上昇せざるを得ない状況にあり、それに伴い売り上げがおよそ毎月2%ずつ低下しているという課題がありました。
3.理由(動機)
しかしながら、提供する料理と価格を営業時間を踏まえた時、値上げを逆手に取ることができると考えました。
それは、料理を通して高級感と雰囲気を提供するお店への方向転換です。
加えて、それ以前の親近感を廃れさせないように取り組みました。
4.施策
具体的に行ったのは、Instagramでの情報発信とLINEアカウントの開設です。
Instagramにおいては学生を中心とした1500人のフォロワーに毎週3回広告を発信し、来客者を増やすことを狙いました。
またLINEでは来客者に対して中心にクーポンなどを発信し、リピーターの増加を見込みました。
5.結果
SNS運用を開始して3か月、それ以前は1日、3~4件ほどだった予約が平均して8件前後入るようになりました。
SNSによってお客様との距離感が近づき、リピーター率は80%以上を保っています。
6.学び
この経験を通して、苦境の中に勝機を見出し戦略を練ることのやりがいを実感しました。
社会人になれば、時に会社の事業が難航することもあると思います。
そんな状況下でも、課題を分析し効果的な策を打ち出せるような人間でありたいと考えています。
他の頻出質問の書き方フロー
ここからはガクチカの他に、よく問われる2つの内容について解説していきます。
それは、自己PRと志望動機です。
いずれも就活生を悩ませる難問ですよね。
安心してください。
先ほど作成したガクチカと作成フローに従えば、あっという間に書けてしまうんです!
自己PRの作成フロー
1.自分の強みを簡潔に示す
読み手が大まかなイメージを想像できるような、分かりやすく簡潔な表現が望ましいです。2.能力の差別化
比喩表現を用いたり会得の経緯を書くなど、類似のPRを想定してオリジナリティを出すと良いでしょう。3.裏付け①
どうしてその強みを誇れるのか、それが発揮された実体験を示します。4.裏付け②
実体験において、その強みが発揮された結果を示します。
数字を用いると説得力が増しますね。5.どのように強みを活かしていくか
社会に出て、その強みをどのように活かしていきたいか示しましょう。
実体験から発展しさせた活かし方だと尚良いでしょう。
志望動機の作成フロー
1.全体の要点
なぜその会社/業界/職種を志望するのか、簡潔に示します。2.原体験
その会社の事業に興味を持った、最大のキッカケを示します。3.価値観/ビジョン
原体験を経て、社会に対してどのような形で働きかけたいのかをハッキリと書きましょう。難しい場合は、ガクチカを意識すると効果的です。
学生の時に本気で取り組んだことは、社会に出てからも情熱を注げる可能性が高いためです。4.企業とビジョンの一致
③で示したビジョンがその企業で成し遂げられると確信した理由を示します。5.入社後の展望
ビジョンを達成するために、その会社で働くイメージや目標を書きましょう。
ここで数値を含ませることができると、説得力が増します。
まとめ
いかがでしたか?
苦手意識があった方も、書き方のコツや流れを知ったことで少し自信が付いたのではないでしょうか?
ガクチカを考えていく中で身に着けた文章の構成力、分かりやすく伝える能力は社会に出ても大いに役立ちます。
最初は難しく感じますが、何度も書き直しながら簡潔に伝えられるようになりましょう!
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